有料老人ホーム以外の介護施設
有料老人ホームには「介護付有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」がありましたが、それ以外にはどんな介護施設があるのでしょうか?
ここでは一般的な高齢者向け介護施設をご紹介します。
サービス付き高齢者向け住宅はバリアフリー仕様で、「見守りサービス」と「生活相談サービス」を備えた高齢者用の住宅です。
有料老人ホームよりは自由度も高いですが、介護サービスなどはオプションになります。
入所条件は「60才以上の高齢者または要介護者、要支援者」「60才以上の親族、要介護・要支援認定者の親族」です。
サービス付き高齢者向け住宅で受けられるサービス
サービス付き高齢者向け住宅で受けられるサービスの一例をご紹介します。
●見守りサービス
見守りセンサーを設置して、安否確認を行います。天井にセンサーを設置して、10時間以上その下を通らないとセンサーが反応し、フロントが居室に連絡する仕組みです。これで応答がなければ職員が居室に訪問して安否を確認します。
また、職員が毎朝居室を訪ねて周る施設もあります。
もちろん、どのサービス付き高齢者向け住宅にも異常事態が起きた時にボタンを押せば職員を呼び出せる緊急通報装置は完備しています。
●生活相談サービス
日常生活での困りごとや不安なことを、日中フロントに相談できるサービスです。
●食事サービス
現在約95%のサービス付き高齢者向け住宅には食事サービスがついています。ただし、1日3食とは限らず、朝晩だけ、晩だけなど、施設によって様々です。
●生活支援サービス
掃除・選択、買い物代行、病院への送迎などのサービスを行う所もありますが、これは施設ごとに違いますので、入居前にどのようなサービスがあるのかをしっかり確認する必要があります。
ちなみに、多くのサービス付き高齢者向け住宅では、マンションタイプの賃貸住宅ですので、カギは自分で管理しますが、訪問者はフロントがチェックすることが多いので、悪徳商法などから守ってももらえます。
介護は別途契約
サービス付き高齢者向け住宅では、介護は別途での契約になり、「訪問介護」や「デイサービス」を利用することになります。ですので、基本的に介護はヘルパーと契約している時間しか受けられませんが、最近は介護サービスを併設しているような施設も増えてきましたので、選択肢の中に入れておくと良いと思います。
賃貸なので基本的に退去させられる事は少ないですが、認知症などで他の入居者に迷惑がかかる場合は、他の施設へ移る場合もあります。
サービス付き高齢者向け住宅のメリットとデメリット
●メリット
- 高齢者でも契約しやすい
- 見守りサービスや生活相談サービスが付いている
- バリアフリーで住みやすい
- プライバシーが守られている
- 入居費が敷金程度のところが多い
- 賃貸なので入退去しやすい
- 有料老人ホームより自由度が高い
●デメリット
- 比較的家賃は高い
- 連帯保証人が必要
- 介護は外部サービスが必要
- 重度の介護だと住み続けるのは辛い
- 看護師などの医療系専門員の常駐する所は少ない
- オプションサービスがたくさんあると料金が分かり辛い
サービス付き高齢者向け住宅の費用
サービス付き高齢者向け住宅の費用は、施設によって大きく違います。ここではおおよその費用をご紹介します。
初期費用:0〜数百万円
月額費用:約15〜30万円
グループホームは、主に軽度から中度の認知症の人が自宅での生活が困難になった場合、要支援2以上の人が入居できる施設です。身の回りのことが一応出来て、最低限共同生活が出来る人でないといけません。
グループホームは医師や看護師の常駐は義務付けられていないので、常時医療が必要な場合や重度の痴呆の場合は退去もあり得ます。その際は有料老人ホームか病院を検討することになります。
グループホームでの生活
グループホームでは、5〜9人のグループで、介護士のサポートを受けながら生活します。
共同生活を通して他の人と協力し、積極的に身体と頭を働かせて、認知症の進行を遅らせるような目的があります。
また、認知症の改善のために、家事、リハビリ、レクリエーションなども行います。
居室は基本的にこしつですが、浴室やトイレ、食堂などは共同のところがほとんどです。
退去要件
グループホームでは、「常時医療が必要」「感染症に感染」「共同生活に支障が出た」等の場合、退去を求められることがあります。退去要件については施設によく確認しておいて下さい。
グループホームのメリット・デメリット
●メリット
- 家族が介護から解放される
- 落ち着いた共同生活が送れる
- 家事や人間関係を通して、進行を遅らせる
●デメリット
- 要支援2以上の人しか入居できない
- 入居難易度が高い
- 手厚い介護は受けられない
- 医療行為が必要になると退去の場合がある
グループホームの費用
施設によって異なります
初期費用:0〜数百万円
月額費用:15〜30万円
ケアハウスは、60才以上で自立して日常生活を営むのに不安がある身寄りがない人、家庭環境などで家族との同居が困難な人が比較的安価に利用できる施設です。
ケアハウスには「自立型」と「介護型」があります。
以前は設立・運営は自治体や社会福祉法人にのみ限られていましたが、民間業者にも介護型の設立が認められたので、施設数は急増しましたが、最近では施設の多様化で落ち着いたようです。
自立型と介護型とは?
●自立型
自立者が入居して、要介護になると訪問介護やデイサービスを利用しますが、要介護2程度までなので、中度〜重度になると特別養護老人ホームなどへの住替えが必要になります。
●介護型
軽度から重度の要介護状態の高齢者を受け入れています。重度の介護が必要でも最後まで居られる施設も多いですが、住み替え無くてはならない所もあります。
ケアハウスのメリット・デメリット
●メリット
- 公的施設なので安い
- 介護型だと最後まで住み続けられるところが多い
●デメリット
- 地域によって入居しやすいところと、そうでないところがある
- 施設によって設備の差が大きい
- 自立型は介護や医療サービスが限定的
- 介護型は初期費用が高い
ケアハウスの費用
経済状態によっても異なります。
●自立型
初期費用:30万円
月額費用:約7〜13万円
●介護型
初期費用:数十万〜数百万円
月額費用:約16〜20万円
特別養護老人ホームは社会福祉法人や地方自治たなどにより運営される公的な介護施設で、重度の要介護者が暮らしています。入居条件は高いですが、一度入居できれば最後まで居られる終のすみかになります。
特別養護老人ホームで受けられるサービス
特別養護老人ホームでは、入浴、食事、排泄の世話、機能訓練指導員や生活相談員によるリハビリ、カウンセリング、介護職員による掃除・選択、買い物といった生活支援まで多岐にわたります。
入居条件
- 65才以上
- 要介護1以上
- 伝染病の疾患がない
- 長期的な入院を必要としない
また、国の省令により「施設サービスを受ける必要性が高いと認められる入居申込者を優先的に入居させるように努めなければならない」とされています。
特別養護老人ホームのメリット・デメリット
●メリット
費用が安い
終のすみかとなる
看取りまでやってくれる
レクリエーションなども充実
●デメリット
多床室が多い
入居待機者が多く、入居が困難
ユニットケア方式が増えて費用が若干上がってきた
特別養護老人ホームの費用
公的老人ホームなので、費用はかなり安いです。
入居一時金:なし
月額居室費用
個室:13万円
多床室:8万円
月額利用料金の中には、「家賃」「食費」「水道光熱費」「雑費」が含まれています。
特別養護老人ホームの待機問題
特別養護老人ホームは費用の安さとその介護体制で、とても人気が高く、殆どの施設で入居待ちの状態です。数百人待ちの施設も数多くあります。
入居まで1年以上も待つ場合もあり得ますので、その間の介護のことは考える必要があります。
最近ではサービス付き高齢者向け住宅に一時的に介護をお願いする場合も多いみたいですし、場合によっては有料老人ホームも選択に入れなければならないかもしれません。
いずれにしても、家族間でよく話し合っておく必要があると思います。
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